「太田喜志子」と結婚
明治四十五年 五月(1912)26歳
新婚時代に間借りしていた森本酒店
牧水は明治四十五年五月、太田喜志子と結婚しました。
結婚式を挙げる金はありませんので間借りして結婚生活をはじ
めました。
喜志子夫人は結婚の翌日から近所の遊女の着物を賃縫いして
生活費を稼ぎました。
太田喜志子
その頃の歌
まづしくて蚊帳なき家に三つ二つ
蚊の鳴き出ぬ添ひ臥をする
かんがへて飲みはじめたる一合の
二合の酒の夏の夕ぐれ